コラム

砂糖の話 粗糖 -その3

前回は、グラニュー糖などの一般的な砂糖を作る原料として用いられる粗糖をご紹介しました。海外から輸入される粗糖の大部分は船で運ばれて、すぐに製造メーカーの倉庫に保管されるためになかなか見る機会がないですが、大阪市内の日新製糖 今福工場では内陸に工場があるため現在も工場横の運河を利用し小型船で粗糖を陸揚げしていて、道路脇から間近に見学できますので是非一度ご覧ください。
ではもう一つの粗糖についてですが、現在流通しているものは国産サトウキビを国内(沖縄、種子島など)において製造される物が主流です。製造方法は原料糖とあまり変わりませんが、こちらは原料でなく食品グレードですから、異物や雑菌を取り除き、ミネラル成分を出来るだけ残した低精製のお砂糖です。色は各メーカーの精製具合や原料のサトウキビによりまちまちですが、概ね、うす茶色をしています。
甘みは上白糖やグラニュ糖の精製されたものと違い、風味豊かな甘さは独特の物ですが黒糖とは違いコクと甘味がバランス良く感じられます。最近、健康食ブームでお砂糖も生成していない物に人気があり、ネット販売や百貨店売り場にて小袋で販売されている粗糖が高値で売買されていますが、売り手側で自由にネーミングできるため別物と思いがちですが基本は粗糖ですので同じです。しかし、精製具合粒子の粗さが違いますので、素材により色々と試されると楽しい発見があるかもしれません。

画像

画像