コラム

小麦粉の話 その6

今回は、最近よく使われている国に産小麦についてです。
日本は島全体が南北に長く、育成環境が複雑なことから、生産される小麦の性質に大きな幅があるのが、国内産小麦と均質な輸入小麦との大きな差といわれています。又、国内産小麦は、輸入小麦に比べて色や食感といった評価が低く、タンパク質の含有量のばらつきが多いということで、製品にして使いづらいとの意見や、日本の狭い国土の中で収穫されるが、毎年安定していないという点が、使用者を困らせていました。しかし、近年作付面積も増え、生産技術の向上や品質改良により、輸入小麦以上の評価を得ている小麦も多くなりました。特に北海道産小麦は、有名で数年前人気があった「ハルユタカ」という品種(今でも一部栽培されています。)は、春蒔きで豊かに実ってほしいという願いを込めて「ハルユタカ」と命名されたと聞きます。この「ハルユタカ」などの春蒔品種は、収穫までの時期が短く限られていて、尚且つ、天候の安定しない時期に収穫するため収量や品質の振れが大きく生産者の悩みの種でした。これらの経験を踏まえて品種改良や栽培方法を変え、最近よく聞く「春よ恋」が、ハルユタカの後継品種になったようです。品種改良の技術には、最近のバイオ技術はもちろん、生産者のたえまない品種の交配の継続が欠かせないということです。ちなみに「春よ恋」は、「春が待ち遠しい、春が恋しい」という意味から。よく聞かれる「ホクシン」は、「北の大地である北海道で、新しい品種として進んでほしい」ということから、命名されたようです。

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