コラム

砂糖の話 三温糖-その1

前回まではグラニュー糖のお話をしてまいりましたが、今回より三温糖について述べたいと思います。
そもそも三温糖の語源の由来は「砂糖の汁を三度に積めて作る砂糖」と言う事でそう呼ばれるようになりました。
実際、工場ではグラニュー糖などの白い砂糖が先に製造されます。
残った糖液にはまだ糖分が残っていますから、再び煮詰めて結晶にする工程を繰り返します。
このような工程を(3回から5回)繰り返し行うと加熱によって糖液に色が着いてきます。
原理的には砂糖を加熱したら色が着くのと同じで、この糖液からできるのが三温糖です。
したがって原料になる蜜はグラや上白を作った後の残り液と言う事になります。
外観はブラウンシュガーに似ていますが、製法が違うのと三温糖は分蜜糖(遠心分離操作などで砂糖の結晶と蜜を分離したもの)に属し、含蜜糖(液糖を煮詰めて固めたもの)であるブラウンシュガーとは異なります。
では、実際他の砂糖と比べてどのような特徴を持っているのでしょうか。
一般的にはグラニュー糖に比べると、純度は低いですが特有の風味とコクのある甘味を持っています。
この特徴は微量に含まれるミネラル分のおかげだと言われています。
上白やグラにはほとんど残っていない成分です。
この特有の甘さを呈し、独特の風味を持っている事により、煮物や漬物・みそ料理には昔からの定番調味料になっている理由です。

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